当サイトには「親知らず抜歯に関するご説明」に併せて「外科処置をお受けになった方へ」という処置後の説明用のページも設けてあります。
前回同様、これに沿って詳しく説明してみたいと思います。
⇒親知らず抜歯に関するご説明
⇒外科処置をお受けになった方へ
処置した部分の消毒と経過観察を行いますので主治医の指示した日に来院するようにしてください。
親知らずに限らず、歯ぐきや粘膜の切開を必要とした場合では、術後の感染が生じやすいため、術後数日内に必ず経過観察を行うようにしております。
また感染を予防するため、ドレーンと呼ばれるシリコンチューブを切開した粘膜の下に留置することがありますが、このドレーンは術後数日内に除去しなければ痛みを生じたり、その目的とは逆に感染の原因となったりしますので経過観察に併せて除去することが必要になります。
以上の理由から、術後数日内の受診を指示させていただいております。
なお、痛み止めが不足しそうな場合には、この経過観察の時に追加処方いたしますのでお申し付けください。
処置した部分を指などで触らないようにしてください。
痛みが出たり、治りが遅れたりします。
本来、口の中の粘膜は非常に治りが早い組織です。
唾液で常に湿っていることが傷の治りを促進するためです。
しかし、指で触ったりしてしまうと唾液をぬぐい、乾燥させてしまうと治りは遅くなってしまいます。
もちろん、触ることで傷を広げてしまうことになっても当然治りは遅くなります。
傷を早く治し痛みを落ち着かせるためにも、傷の安静をはかってください。
処置した当日は極力入浴を避けるようご協力お願いします。
スポーツなど、体を動かすことは控え、なるべき安静にしてください。
入浴やスポーツにより血流は促進されます。
血流が促進されることはつまり、血圧が上がり、さらに血管が広がることです。
傷を治すためには良いように聞こえますが、処置直後に関してはあまり好ましくありません。
血圧が上がることで出血を起こしやすくなりますし、血管が広がることで腫れが強くなることにもなります。
このため、処置直後は入浴やスポーツを避けていただくようにお願いしております。
では、出血や腫れを抑えるためには冷やせば良いのでは、そう思われる方もおられるでしょうし、「抜歯後は冷やすように」、などと記載されているホームページもよく見かけます。
しかし、冷やしすぎて治りが悪くなったり、痛みが持続したりするケースが多いのが現実です。
冷やすにしてもその適切な温度や、術後何時間まで冷やして良いのかなど、厳密にどの程度冷やせば良いのかは処置に携わった主治医ですら正しく指示するのは困難です。
私は強く腫れるよりも痛みが持続する方が辛いと思いますので、むしろ一切冷やさないようにして、どうしても腫れを抑えたい場合にのみ、1〜2時間だけタオルやガーゼで巻いた氷や保冷剤で冷やすように、と指示しております。
処方された薬は、主治医の処方通りに服用していただくようお願いします。
ご自身の判断でお薬の服用を中断しないようにしてください。
処方通りに服用していただければ良いのですが、万一アレルギー症状など問題がございましたら速やかにクリニックまでご連絡いただきますようにお願いいたします。
飲酒により脈拍、血圧が上がると後出血が生じたり腫れが強くなったりするだけでなく、痛みが強く出ることがあります。
痛みがある内は飲酒を控えるのが望ましいのですが、指標としては腫れのピークである処置後二日後以降で、たしなむ程度の量であれば、差し支えありません。
これについてはまた後の項で詳しく述べたいと思いますので、ここでは、出血が気になる際にはガーゼを固く丸めて強く噛んでおけば大概の場合にはおさまる、ということだけ記載しておきます。
処置後には必ずスタッフや歯科医師から書類をお渡しの上で詳しく説明しておりますが、緊張や恐怖で疲れ果てて上の空、などという事も珍しくありませんので、書類とともにこの項を参考にしていただければご安心いただけるのではないかと存じます。
口腔外科専門医
稲田 良樹
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