前回の記事で親知らずの抜歯にかかる時間をおおまかに述べましたが、人によって痛みの感じ方が異なるという条件が加わりますので痛みの予測はこれより難しくなります。
したがって前回よりもさらにおおまかな言い方になることは最初にお断りさせていただきます。
前回の記事の難易度に沿って述べてみます。
抜きやすく骨が軟らかい=健全または骨の炎症が比較的強くないなど、条件の良いものはこの程度でおさまる事がほとんどです。
痛みに強い人なら痛み止めなしでも我慢できるレベルです。
水平埋伏智歯で切開や歯の分割、縫合などの術式が必要になるため、お体にかける負担(侵襲)は①より大きくなります。
その分痛みも強く長くなる傾向にあります。
骨を削ったり、時間がかかったりすると更に侵襲が増えますので、痛みも更に強くなります。
一回の診察で処方できる鎮痛剤の数には限りがありますので、後日の経過観察の際に追加で処方する事がほとんどです。
抜歯に時間を要する難症例では骨の炎症が強い事が多いため、抜歯後の痛みも強く長引きます。
このような場合では痛みを和らげるために傷口の保護を行うような処置を追加する事があります。
かなりおおまかな目安としては以上のようなりますが、親知らずの位置などによる炎症の広がり方の違い、体質的な炎症の広がりやすさ、痛みの感じ易さ、などでも痛みの強さや持続時間は変わります。
またヘルペスや帯状疱疹などウイルス疾患を併発してしまうと非常に強い痛みが出たり、長引いたりします。
適切な処置、処方を行えば痛みの緩和はできますので、痛みが強い、長く続くなどの場合には必ず受診していただくようお願いいたします。
口腔外科専門医
稲田 良樹
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